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「ゲーマーの活躍する場が清潔であってほしい」 KINGDOMマネージャー児玉信城 インタビュー

「ゲーマーの活躍する場が清潔であってほしい」 KINGDOMマネージャー児玉信城 インタビュー

2016年2月15日、リーグ・オブ・レジェンドの公式リーグ「LJL CS(League of Legends Japan League Challenger Series)」は、同リーグ予選に出場するゲーミングチーム「KINGDOM」に出場停止処分を下した。処分理由は『守秘義務違反』だ。

KINGDOMのゼネラルマネージャーの児玉信城(hAFu)氏は、2月13日に対戦相手のチームに替え玉出場の疑惑があったとしてWEBサイト上で告発文を公表。その発表にリーグ規定の守秘義務に違反する内容が含まれていたのだ。

リーグ運営側は、情報の削除勧告を行ったが児玉氏が建設的な態度を示さなかったことを理由に「健全なリーグ構築のうえでKINGDOMの大会参加は相応しくない」として同チームの出場停止を決定。処分を受けKINGDOMがチーム活動を一時休止する事態にまで及んだ。

児玉氏はいったいなぜ、ルール違反を犯したのだろうか。
そして公式リーグ出場停止となったKINGDOMは、今後どのように活動を続けるのだろうか。

尽きない疑問への解を得るべくチームに問合せたところ、渦中の児玉氏がインタビューに応じてくれた。

児玉 信城(hAFu)
LoLのセミプロチーム「KINGDOM」ゼネラルマネージャー。まだ20代ながら豊富なビジネス経験を持っており、実績が乏しいチームで次々とスポンサー契約を獲得するなど、チーム経営者として手腕を振るう。
学生時代は兄弟の影響でボランティア活動に多くの時間を費やし、社会人生活でも福祉施設の運営や、被災地の復興支援などの社会貢献活動に携わる。2011年、体調を崩したことをキッカケにオンラインゲームや競技シーンの存在を知り、2015年9月にはチーム「PLUS ULTRA」にマネジャーとして加入した。PLUS ULTRAはコミュニティ大会「Logicool G CUP」の予選を勝ち抜き東京ゲームショウの大舞台にも立つほど急速に成長したが、コーチのパワハラ問題や選手の不祥事などが重なり同年10月に解散。チーム名をKINGDOMと改め、新チームとして再編を行った。

ゲーマーの活躍する場が清潔であってほしい

―正直に言いますと、こうして取材を受けて頂けるとは思いませんでした。(以下、編集部)

児玉:私としては今回の騒動についてメディアさんの取材を受けたいと思っていました。この件で「あいつはリーグを潰そうとしてる」みたいな誤解もあるようなので……。

―発表の中にはリーグ運営に対する痛烈な批判もありましたので、そう思われる方も多いと思います。事実を公表せず問題を解決する手段もあったと思いますが、なぜ一般に情報を公開したのでしょうか?

児玉:私はゲーマーがスポットライトを浴びる舞台がなくなってほしいわけではありません。むしろ、そういう場が増えてほしいと思っています。ゲームやゲーマーが好きで活動しているわけですし。

ただ一方で、そういった場に対して”スポーツ”や”競技”という言葉が使われ、”選手”として真剣に練習しているプレイヤーがいるのであれば、その場は清潔であってほしい。汚れてはならない。今回もその思いが強く、なかば衝動的に情報を公開しました。

―不正疑惑を公表することについて、KINGDOMの選手たちはどういった考えだったのでしょうか?

児玉:もちろん選手たちも替え玉の疑惑が事実であれば許せない、という考えだったのですが、私が独断で公表したことでかなり動揺させてしまいました。結果として選手の活躍できる機会を失うことにもなってしまったので、今となっては彼らに申し訳ない気持ちでいっぱいです。

―リーグが下した今回の処分についてはどうお考えですか?

児玉:「出場停止」という処分内容を聞かされたときは「なぜ?」という疑問しかありませんでした。ですが実際ルールを違反していましたし、今はこの処分について納得しています。

―替え玉疑惑のあったチームの処分については、どのようにお考えでしょうか?

リーグ側は調査の結果、禁止行為である海外アクセスについては該当選手には処分を下しましたが、替え玉の疑惑については「判断できる証拠がない」として注意処分に留めています。

児玉:処分の内容より「替え玉をしていた」という事実があったのか、なかったのか、その白黒をハッキリしてほしいと思っています。LoLに限らずオンライン大会の中で、こういった問題は今後も必ず出てくる。そのときに「こういった場合は白、こういった場合は黒」と決められるような判断基準をこの機会に作ってほしいですね。

児玉氏は、今後のためにも不正を判断する明確な基準があるべきだという。

児玉氏は、今後のためにも不正を判断する明確な基準があるべきだという。

KINGDOM、再始動

―LJL CS出場停止を受けてKINGDOMは2月から活動を休止していましたが、3月に活動を再開していますね。どういった経緯があったのでしょうか?

児玉:処分が決まった直後、選手の今後のために最大限の償いをするのが自分の最後の役目だと考えていました。そんな中でチームに残った選手たちから「慣れ親しんだKINGDOMのメンバーでチーム活動を続けたい」という声がありました。

―選手の希望だったのですね。

児玉:そうですね。私が先走ったせいで、こんな事態になってしまったのに「一緒に活動したい」と。そう思ってくれた選手たちには頭があがりません。

今回の騒動を受けて、チーム宛に「活動を休止しないでほしい」「これからも頑張ってほしい」というメッセージを100通以上いただきました。中にはゲーム関連の企業さんに「KINGDOMを応援してほしい」というメッセージを送っていただいた方もいらしたようです。そういった温かい声援が選手たちの背中を押してくれたんだと思います。

大変ありがたいことに、騒動の後も「選手たちには罪はない」と新たにスポンサードのお話をしてくださる企業さんもいらっしゃいました。

KINGDOMの選手たちは、たとえ別チームに移籍したとしても今のSplit(1月~3月)のLJL CSやLJLに出場することはできません。試合にも出れず、チーム練習の場もない状況では、選手のチームプレイの感覚はすぐに衰えてしまいます。少なくともメンバーの移籍先が決まるまでは全力で活動を続けること。それが自分にできる、せめてもの償いだと考えています。

―今後KINGDOMはどのような活動をしていくのでしょうか?

児玉:”チーム活動を学べるチーム”として活動をしていきたいです。チーム活動は、”ゲームと向き合いながら、人と向き合っていく”活動です。KINGDOMでチーム活動の楽しさ、大変さを経験してもらいたい。

チームの士気をさげないような気配り、話し方、といったゲームとは直接関係ないけれど、すごく大事なこと。そういったことを学んで、どこのチームに行っても人との関係を良好に保ちながらプレイできる選手を増やしていけたらと思っています。

―児玉さん個人としての活動予定もあるのでしょうか?
児玉:自分の汚名を返上するとか、そういったことは全く考えていないです。今は選手や関係者の皆さまに与えてしまった悪影響をクリアにできるように。そして、それ以上に与えられるものがあるように行動していきます。

特に一番迷惑をかけてしまった選手たちには、活動環境を整えたり、移籍先を見つけるなり、出来る限りのことはしなければなりません。それを終えてから自分の今後についてはゆっくり考えたいと思います。

(写真:天野 雄士)

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Mikulas編集部
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