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e-sportsチームの『スポンサーセールス』という仕事

e-sportsチームの『スポンサーセールス』という仕事

私は某e-sportsチームに『スポンサーセールス』(営業)として在籍しています。

最近e-sports関連の仕事に興味を持つ人が増えてきているのかもしれません。「e-sportsチームで働くってどうなの?」というような質問をされる機会も増え、こうやって文章を書く機会までいただきました。この記事がe-sportsを仕事にしたいと思っている方の参考になれば何よりです。

今回は、e-sportsチーム業務の中で私が担当する「スポンサーセールス」という仕事をご紹介します。

e-sportsチームのスポンサーセールスという仕事

簡単に言うと、スポンサーセールスとは「企業からチームのスポンサー契約をとりつける業務」を行うポジションです。

所属するチームによって仕事内容は様々だと思いますが、だいたい次のようなことをやっています。

  • 営業先の選定、アポイント
  • 電話やメールで連絡をして商談のアポイントをとります。私の場合、既存クライアントからのご紹介いただくことや自身のネットワークを活かして営業することが多いです。

  • ヒアリング
  • クライアントの企業戦略からスポンサー契約に期待していることなど、掘り下げて質問します。

  • 提案・見積
  • 例えば「店頭でのPRにこの選手を起用してみてはどうか」「チームサイト・SNSと連動したキャンペーンを打ち出してはどうか」など、クライアントのマーケティング戦略・広告戦略に合致するような提案を盛り込んだスポンサープランを組み、その金額をクライアントに提示します。場合によってはクライアントの広報部や広告宣伝部の方々、役員さんたちの前でプレゼンを行うこともあります。

    チームによっては「ユニフォームのココに企業ロゴを入れると、●●万円」というようにスポンサープランを定型枠として販売するところもあるようです。(企業のスポンサー活動は広告価値だけではなくブランド価値を上げる活動でもありますので、単純に「ひと枠いくら」の広告枠で売ってしまうのはもったいない気もしますが……。)

  • 契約
  • クライアント社内の承認が下りたら契約の締結です。たいていの場合、契約書の雛形はこちらで用意することが多いです。重要な行程なので、弁護士の先生と相談しながら進めます。

  • 請求
  • 請求書を作成しクライアントにスポンサー費用を請求します。

  • フォロー
  • スポンサー料を請求して終わりではありません。実施したPR施策のレポートや定期的な状況のヒアリングを行います。クライアントからビジネスパートナーと認識されるような関係を構築し、スポンサー契約を継続してもらうこともスポンサーセールスの役割です。

ざっとこんな感じです。

どんなに製品の品質が良くても、価格が安くても、必要がなければ購入してもらえないように、クライアントのニーズにあったスポンサープランを提案しなければ契約は取れません。

“ヒアリングをして、ニーズにあった提案をする”。売り物が少し特殊なだけで、一般的な営業職とやることは変わらないですね。

チームはスポンサー企業のビジネスパートナーです。

チームはスポンサー企業のビジネスパートナーです。

なぜe-sportsチームでスポンサーセールスをしているのか

マリオカートの順位は常に下から数えるほうが早い。リーグ・オブ・レジェンドの最高TierはSilver5。

そんな私ですが、昔からプロゲーマーという存在にずっと憧れていました。カッコいいじゃないですか「プロ」って。

「いつか彼らと同じチームで仕事がしたい」とずっと思っていて、数年前に気になっていたチームに声をかけたのがチームに加入したきっかけです。

実はプロゲーマーにならなくても、色んな方法でプロチームに入ることができるんですよね。

例えば、

  • チームを立ち上げてオーナーになる
  • 調整能力を活かしてマネージャーになる
  • クリエイティブスキルを活かして制作スタッフになる
  • 自分のファンを作ってストリーマーになる
  • etc…

こんなふうに数ある選択肢の中で、私は現在スポンサーセールスをしています。

何故この仕事を選んだのか、その理由を話したいと思います。

チームに営業がいなかった

単純明快です。

私がチームに連絡したとき、チームには選手とオーナー(マネージャー兼コーチ)しか在籍していませんでした。

当時、オーナーのポケットマネーからわずかなギャラが選手に支払われていましたが、お世辞にもプロチームと呼べるような財政状況ではありませんでした。

そこでオーナーから「スポンサー契約をとってくる」というミッションを与えられた私は営業活動をはじめました。

完全になりゆきですね。ちなみに、こういった状況のチームは多いのでセールスパーソンの需要は多いと思います。

セールスは儲かるといえば儲かる

潤沢に資金のあるチームは月給制などで雇用契約を結ぶこともあるようですが、私はフルコミッション(完全歩合制)で働いています。

この2つの契約の違いについて簡単に触れると、

雇用契約
正社員、契約社員としてチームと雇用契約を結ぶパターンです。社会保険、厚生年金などに加入することができ、安定した収入も得られます。(どんなに少なくとも最低賃金が保証される)

ただし財政難なチームには負担が大きい契約です。健康保険料や厚生年金の負担するコストが発生し、たとえセールスパーソンが売上を立てられなくてもチームは給与を支払わなければなりません。

フルコミッション(完全歩合制)
一般的に「業務委託契約」と呼ばれる形態。チームに雇われるのではなく、チームと対等の立場で業務の依頼を受ける働き方です。

仕事の進め方は自分の裁量に任されますので、勤務地・勤務時間は関係なく自由に働けるのは大きなポイントです。チームにもよりますが獲得したスポンサー契約料の30%~40%ぐらいをインセンティブとして受け取ることができます。

といった感じです。

フルコミッションの場合、スポンサー契約が獲得できれば一度に数十万~数百万単位での収入が期待できるため、儲かるといえば儲かる仕事ではあります。逆にスポンサー契約がとれなければ収入はゼロなんですけどね。

と、そんな感じで私はプロチームで働いています。

お世辞にも「ゲームが上手い」と言えない私が、プロチームに参加できているってすごいですよね。ほんとに。

選手として、オーナーとして、スタッフとして。チームへの関わり方は多種多様です。

選手として、オーナーとして、スタッフとして。チームへの関わり方は多種多様です。

e-sportsチームで働いてみた感想

最初に書いた「e-sportsチームで働くってどう?」という質問に、私個人の感想を答えたいと思います。

「ものすごく楽しい!」です。憧れのプロチームで仕事ができているんですから当たり前ですね。

また、多くのチームではセールスをマネージャーが兼務したり広告代理店に委託していたりするなか、私を信頼して単独でセールスを任せてくれたことについて、チームにとても感謝しています。20代のうちから組織経営の現場でリーダーシップをとって収益化を推進する経験ができ、かなり勉強になったと思います。

楽しい活動をしてお金がもらえる。e-sportsチームでの仕事は、私にとって最高の仕事です。

Thanks team!

最後に

この記事を読んでスポンサーセールスの仕事に少しでも興味を持ってくれた方へ。

色々と書きましたが、e-sportsのスポンサーセールスの仕事はまだまだ成果をあげるのが難しい状況です。日本国内では特にそう言えます。

ですので、スポンサーセールスをやってみたいと思われた方は、まずは試しに副業としてトライしてみてはいかがでしょうか。それだけでも、きっと他の仕事ではできない経験ができると思います!

“自分がアプローチするまでゲームのゲの字も知らなかった企業の役員さんと、一緒にゲーム観戦しながらポテトチップスを食べる”なんて、会社勤めをしていたらなかなかできない経験ですよね(笑)

(イラスト:asaba)

カワシマ佐藤
弱小eSportsチームのスポンサーセールス担当。最近はチーム経営にも挑戦しています。
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